時を越えて、限界を越えて
「一年生の優秀クラスは1年2組です!」クラスに喜びの声が一瞬で広まった。その中で私は喜ぶべきか驚くべきか分からず唖然としていた。
私たち1年生は今回初めての桐ヶ丘祭で合唱コンクールをすることになった。初めての合唱練習では声が聞こえない上、歌詞を覚えていないなどで最低な出来だった。何度か練習を行ったとき音楽の新條先生が私たちに、「このままじゃ2組は負けるよ、他のクラス方がもっと出てる。」と言った。確かに私は偶然他のクラスの合唱を聞いたことがあり、自分たちは比べものにならないと感じていた。その後合唱練習が始まると、新條先生の言葉に刺激された何人かが率先して練習を行い、私も自分が出せる限界の声を出して歌うようになった。一週間ほど経ったときには多くの人が自分の限界までの大きな声を出して歌うように変わっていた。リハーサルで私のクラスは三番目に歌うことになっていて、私は初めに歌った4組と1組の合唱を聞いて、私たちの練習の時の音量の方がすごかったから大丈夫だと盲目な自信が湧いてきた。だが私たちが歌い始めると、皆の声が前のどのクラスよりも小さく、それに合わせて私の声も小さくなった。リハーサルが終わると先生たちはどんな言い訳があろうと、さっき緊張しながら自分たちが歌ったものが今ある私たちの実力だと言った。教室へ戻るとき、他のクラスのたくさんの人が「2組には絶対勝てる」と話していて悔しかった。その日から私のクラスは朝練を進んで行うようになり、改善点をみんなが自ら考えるようになった。もちろん放課後練習でいつも最後まで私たちは残っていた。本番当日、私たちはリハーサルと同じような失敗はしなかった。今回の桐ヶ丘祭で私は努力することから自分にとっての限界が越えられると知った。今回の経験がもっと良い自分自身をつくるための一つになり、未来に生かされると良いと思った。